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『猫ジャケ ~素晴らしきネコードの世界』レコード・コレクターズ増刊, ミュージックマガジン (古本)
¥2,000
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「ネコード」というバカバカしくもかわいいタイトルが目につく1冊。説明するまでもなく、猫が登場するレコード/CDジャケットをひたすら紹介しまくる内容です。間に遠藤賢司のインタビューなどはあるものの、ひたすら猫ジャケに次ぐ猫ジャケ。読んでいるこちらも、「かわいいー、あーかわいい」という感想のみ。そのシンプルさが猫好き、音楽好きを惹きつけるのか、第2弾も出版されています。 本書を見ると、いかに音楽家に猫好きが多いかがわかります。犬好きよりも多いと思う、たぶん。そしてまた、たとえそれがどんなに残念な音楽であっても、猫がジャケットに載っているというだけで、ネコード・コレクターズの心を揺さぶる1枚となってしまうのですから、猫の販促力(?)にはすごいものがあるかもしれません。 夜、好きな音楽をかけ、お酒を飲みながらこの本をパラパラとめくっていると、なんというか、世界はとてもシンプルなものなんじゃないかという気がしてきます。(土澤) ■詳細 2008年8月発売 B5変型(210×182mm) 112ページ 中古品のため表紙などに多少のキズ、ヤケがあります。
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食と日本人の知恵【岩波現代文庫】
¥500
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#鎌倉 の雨に濡らしてしまいました。。 #豆腐 は、一説によれば八〜九世紀の唐代中期ごろに発明されたとか。 日本には鎌倉時代に入るちょっと手前の文献に豆腐の字がみえ、鎌倉時代を経て、室町時代に入ると、かなり普及していたとされる。#食と日本人の知恵 ・ 他に、【「粒食・粉食」比較考】、【パスツールを超えた日本人】なども抑えたい。 日本人は、世界一の貝好きで、約300種類もの貝を、最も大量に食している民族だそうだ。 著者の #小泉武夫 は、1943年福島県の酒造家に生まれ、東京農業大学の教授。発酵学、醸造学が専門。 #岩波現代文庫
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『ポケットに山を』写真:野川かさね
¥500
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通称“ポケ山”。どこの書店で出会ったか忘れてしまったけれど、その素直なタイトルと、タイトルのようにこの本をポケットに入れて山に行きたくなる装丁に惹かれて、手にとってそのまま会計へと持って行った大好きなリトルプレスです。 山へのあこがれと感謝の思いが、野川さんの素晴らしい写真と、山について書かれた美しい文章によって表現されています。この本に出会うまで山岳文学というものをあまり読んだことがなかったのですが(そういうジャンルがあることも知らなかった)、ここに抜粋された文章たちのきらめきにすっかり心奪われてしまいました。 この本を開くたび、山を歩いている時に感じる、樹木や草花、昆虫への親しい思いや、見渡すかぎり広がる風景に圧倒されるような、吸い込まれるような気持ちを思い出して、山が恋しくなってしまいます。 『フロムリトルプレス』でもご紹介しています。(土澤)
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『文字の食卓』正木 香子
¥1,944
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小説、絵本、漫画、雑誌。 いろんな事例から「文字の味見」ができる本。 コンテンツとしては、ウェブが先にあって、後に書籍化したらしい。 眺めていると、本当に文字を咀嚼して、味とにおいを感じて、音を楽しめるようになってくる。 例、チューインガムの文字。炊きたてご飯の文字など。 ■詳細 出版社: 本の雑誌社 発売日: 2013/10/24 言語: 日本語 梱包サイズ: 2 x 15 x 18 cm ISBN-10: 4860112474 ISBN-13: 978-4860112479
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『Coyote コヨーテ No.37 July 2009』いざ、南極へ -植村直己が向かった旅の先-
¥1,512
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「植村直己 1972年の幻の「南極偵察日記」 一挙掲載」 雑誌『Switch』の版元である、スイッチ・パブリッシングが発行するもう一つの雑誌が『Coyote』だ。 確か発行人の新井敏紀氏が、星野道夫氏との対話をきっかけに始め、「旅する雑誌」をうたうだけあって、「旅する人」にフォーカスした号が、特にいい。 写真家のロバート・フランク、ロバート・キャパもいいし、冒険家の植村直己特集も私のお気に入りである。 紙面の大きさを活かして、植村直己の手書きのノートや資料、写真がフルカラーで展開されている。 個人的には、これを見たり読んだりすることで、旅に限らず、何か小さなことでも「冒険をしてみよう」という気持ちになる。その多くは、寝て起きると忘れてしまうものなのですが、ひょっとするとこのコエノエの活動も、『ゆがみ』で長野県松本市にある本&珈琲の栞日さんを取材させていただいたのも、その探検心みたいなものの片鱗を、何かかたちにしたいという欲求のあらわれなのかもしれない。 本号の魅力は、他にも、私の大好きな赤井稚佳さんのイラストと佐々木譲さんのテキストによる「旅行記を旅する」という旅行記のブックガイドコラムが始まった点や、植村直己の妻である公子さんへのインタビューや、植村直己より9つ上の冒険家 三浦雄一郎さんへのインタビュー、池澤夏樹氏による写真とテキストの「南極半島周航記」などなど、盛りだくさん。 日ごろ忘れがちで「行きたいところとか、なくなっちゃったな」とか嘯いているけれど、これからもいい旅をしたい。 きっと、私にとってのそれは、観光でも放浪でもなく、誰かの声を聴いたり、その土地の空気をそっと綴じていくことのような気がしている。意味があるかどうかは、分からないけれど。と思った矢先、自分より53も上の三浦氏が「冒険が意味ないという時代も必要だと思いますね」というくだりを見つけて、その真意を知りたくなった。(星野)
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『未来ちゃん』川島小鳥
¥1,800
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新宿の新刊書店で、私は芸術書、、特に写真集の主担当をしていた。 その頃、最も「売ったな〜」(ドヤ顔!)というのが、この『未来ちゃん』である。後に、写真集としては異例のセールス記録となった未来ちゃんであるが、当初はどの店舗も渋めの仕入れ具合であった。 あえてドヤ顔なのは「売れたなー」ではなくて、「売ったな〜」という実感があるからで、『浅田家』や『うめめ』のような日本的な文脈を読んで、ナナロク社への初回発注を他店舗の10倍は入れたと記憶している。 滅多に売れない写真集が、予想通り!(よく外れる。。)ジワジワ動いたので、追加で大量発注した。当時の棚下のスペースと、店頭の裏にある仕分け部屋の私のスペースは、未来ちゃんで埋め尽くされた。売れ始めると版元の在庫切れになり、他店舗から「分けて欲しい」という依頼が相次いだ。 その後、ブルータスの表紙になって、さらに人気が加速。仕入の元締めをされていたK先輩にかけあって、該当号を大量発注した。Amazonでは速攻で売り切れて、倍くらいの値段になっていた。その号は後にムック化して、さらに売れた。 写真集コーナーは、村上春樹も、ワンピースも、AKB48もない。これ!っていう地味な本が、チビっと売れるのも乙だが、どかんと売れるって、気持ちいいな!!と思った。私は本の販売を通じて、仕事の楽しみを覚えた。 昔話が長くなって、すいません。。 改めて『未来ちゃん』をめくってみると、これが「いい」のだ。流行ったものって、割とナナメから見てしまうタイプなのだけど、時を経た今のほうがストレートに川島さんの写真の力を感じられている気がする。 好きな写真集は、映画を見るくらいの覚悟がないと、すぐにお腹いっぱいになる。だから、手元の書棚に挿しておいて、ふとしたときにめくりたい。(とはいえ、写真集に限らず、書棚に眠ってしまう本がなんと多いことか。。) 祖父江慎さんの装丁も含めて、これはモノとして生まれるべくして生まれたプロダクトだと思う。(星野)
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『江戸の本屋さん 』今田洋三 (平凡社ライブラリー)
¥2,554
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■詳細 出版社: 平凡社 発売日: 2010/2/19 言語: 日本語 梱包サイズ: 10.8 x 1.8 x 15.9 cm ISBN-10: 4256191232 ISBN-13: 978-4256191231
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『メグレ、ニューヨークへ行く』ジョルジュ・シムノン,河出書房新社,長島良三訳(1977)
¥500
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ジョルジュ・シムノンのメグレ警視シリーズの1冊。 この作品ではメグレはすでにパリ警視庁を退職していて、舞台もフランスでなくアメリカなので、他のメグレ警視シリーズとはかなり雰囲気が違うのです。登場する人物たちもメグレに対して、「名前は一応知ってるフランスの元警視」って感じで冷たいし(フランスではもちろん大切にされている)、メグレ自身も、言葉があまり通じなかったり、フランスでのように物事が運ばないことにイライラしてて、これだけ読んだら、「勝手に偉そうにしているフランス人のおっさん」という印象。 個人的にも、現役時代の、個性のある部下たちを引き連れて地道に捜査して、少しずつ犯人を追い詰めていくメグレ警視が好きなので、正直なところ、最初はイマイチ入り込めなかったのでした。しかも、依頼者であるはずの若者は物語の冒頭で姿を消して、その父親からは、「問題なんかない、はよフランスに帰れ」(翻訳の意訳)と冷たくあしらわれるし…。 それでもやはりメグレ警視なので、見ず知らずの青年のために一人ニューヨークまで来てしまった自分を呪いつつ、青年が何を自分に依頼したかったかを知るために一歩一歩進んでいくのですね。そしていつものように、すべてについて予想したり予測したりせずに、じっと対象を見つめて、全体が浮かび上がった時に初めてそれと判断を下すのです。 終盤、問題などないと言ったはずの青年の父親が昔関わった事件がまだ終わってなかったことを少しずつ探り当てて、明らかにしていくくだりは「おお~!」と盛り上がること間違いなし。犯人たちに法的な裁きは受けさせられないけど、それがどれほど愚かなことかを怒りとともに本人たちに突きつける姿も激カッコ良いのです。 でも表現に回りくどいところが多くて、実際にどういう犯罪が行われたのかが2度読んでもふんわりしかわからなかったこともお伝えしておきます…。(土澤)
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『山の眼玉』畦地梅太郎, ヤマケイ文庫
¥1,026
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畦地さんの絵が気になり始めたのはいつだろうと思い返してみる。確か、どこかの書店で『岳人』の表紙を見たのが最初だっただろうか。そのとき『誰の絵なんだろう?』と、作者の名前を雑誌のそこかしこで探したが見つけることができず、、結局、Googleの検索でやっとこさ探りあてた。しかし今度は名前が読めない。これにも時間がかかったので、ここに併記しておこう。畦地梅太郎 (あぜちうめたろう)さん。 1902年から1999年を生きた畦地さんは、2つの大きな戦争と、その間に起きた関東大震災を経験されている。乙種合格だったため兵役は免れ、新聞配達や浴場の背景の絵を描いたりして生計を立てた。 ちなみに、彼の独特な線や色は、実は版画である。20代前半で勤めた内閣印刷局の仕事が、版画だった。 『山の眼玉』や雑誌『岳人』の表紙で描かれるのは「山男」というらしい。畦地さんは「モデルはわたしだ」というそうだが、自画像ではなさそうだというのが解説者の説だ。 ※2014年、岳人の発行元は中日新聞社から、登山用品メーカーのモンベルになり、そのタイミングで、表1に畦地さんの版画が採用された。 山男は一見、無表情のように思えるものが多いが、よく見ると微笑んでいたり、眼を見開いてじーっと前を見つめている。鳥を抱く手つきが、優しい。 『山の眼玉』は、1957年の山岳文庫(朋文堂)の復刊で、版画をふんだんにあしらった47編の紀行文と、カラー16ページがついて、畦地さんの作品を手軽に手元に置いておける一冊だ。 2015.12.25 星野陽介
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『あの世で罰を受けるほど』キリンジ,ぴあ
¥1,620
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皆さん、キリンジというミュージシャンをご存じですか? 元々は堀込高樹、泰行という兄弟ユニットだったのですが、数年前に泰行が脱退。現在はkirinjiという表記で、兄の高樹がリーダーを務める、血縁関係のない5人バンドとなりました。弟の泰行はソロで活動しています。 彼らが雑誌『TVブロス』で連載していたコラムをまとめたのがこの1冊であり、記念すべきキリンジの初著書でした。『ブロス』で連載が始まると聞いた時は、それまでのライヴのほとんどに足を運んでいた熱心なファンの私ですら、「大丈夫なのかな? 『ブロス』の読者に読み飛ばされないかな…?」などと訝ったのですが、この連載は本当におもしろかったです。兄弟が交代で文章を書き、合わせてちょっとしたイラストが添えられた構成でした。 高樹の文章は、彼の楽曲で描かれる風景のその先、あるいはその過去を書いたようにも読めます。妙に現実的で、ある時ふと不意を突くような驚きやユーモアがある。そしてひたすら鋭い。一方泰行の文章は、そのメロディアスかつポップな音楽とは一味違う、なんというか、ざっくりしてる(笑)。ちょうど良い加減のぬるさがあるというか。兄と弟のそんなコントラストもおもしろく、つい先へ先へと読んでしまいます。さらに、メガネ男子の高樹が、さまざまなタイプのメガネをひたすら掛けるというファン垂涎(?)のコラムあり、今は亡き川勝正幸さんとの対談ありと、なかなかの濃さ。伊丹十三あたりのエッセイのファンにもおすすめします(褒め過ぎか)。(土澤)
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『メグレと口の固い証人たち』ジョルジュ・シムノン,河出書房新社
¥500
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メグレ警視シリーズ2冊目のご紹介です。 この河出の文庫新装版は、色使いがポップでもどこか不穏な雰囲気が漂っている表紙が大好きなのですが、本作のカバーもとても良いです。ちなみに描かれているのは古川タクさんというアニメーター/イラストレーターさんです。 さて、本作の舞台は、メグレが子供の頃はどんな食料品店にも売っていたビスケット、ウエハースの会社を運営する一族の住む家。しかし今では誰もそのメーカーのお菓子を食べていません。メグレは子供の頃に食べたビスケットの「ちょっとボール紙のような味」を思い出します。その家で、実質会社を取り仕切っていた長男が射殺されました。強盗による深夜の犯行のようでしたが、奇妙なことに、家にいた家族6人は誰一人、何も聞かず、何も見ていません。しかも、取り調べの最初から弁護士を呼んで、メグレに何も話そうとせず…。 というお話。メグレはいつもように捜査しようとしますが、家族の顧問弁護士は若く、家族への尋問にうるさく口を挟んでくるだけでなく、こちらも若い予審判事は、昔ながらのメグレのやり方を認めず、またその捜査方法を知ろうとメグレにぴったりとくっついてきます。そこでメグレは、家族から少し離れたところを捜査し始めます。その中で掴んだ手がかりのようなものをきっかけに徹底的に探り出していき、少しずつ家族が隠し通したかったことと事件の真相が明らかになっていきます。 この作品のテーマの一つは、もちろん事件解決の過程とその結果であり、もう一つは、次世代である顧問弁護士と予審判事、古い世代であるメグレの対立、というところにあります。メグレの長年のライバルだったコメリオ判事はすでに引退し、メグレ自身も2年後に引退を控えています。休日には夫人と引退後のことをいろいろと話し、その日を楽しみにしていますが、一方では、慣れ親しんだ警視庁に通わなくなることに寂しさを感じ、また、ささいなことで自分が老人になったように感じて憂鬱な気持ちにさえなります。 メグレは40年以上警察官を務め、今ではパリ警視庁のトップの一人であり、ヨーロッパでもその名を響かせる名捜査官です。しかも、身長180センチ、体重100キロの巨漢で、もうほとんど怖いものなしのような人物。それでもなお、自分より20も下の若者の存在に頭を悩ませ、彼らの夢まで見るんですね。そして彼らの至らなさを見るにつけ、自分が老人になってしまったように感じて不機嫌になる。その繊細なメグレがとても良いのです。見るからにぶすっとして、周囲を寄せ付けなくなる。まるで子供のようです。 でも、部下たちはメグレのその不機嫌な気持ちに一瞬にして気づいて、ピリリとすると同時に、メグレを気遣うんですね。物語の中では、メグレは事件に関係すること以外は部下たちとあまり話さないので、両者の関係はあまりわからないんです。また、事件を捜査している時以外のメグレは、お酒とパイプ、夫人の作る料理が好きな、ちょっと怒りっぽいところのある普通のおじさんという感じ。そう考えると、部下たちがメグレの機嫌を一瞬のうちに悟ることができ、不機嫌ならは全員が気遣うのは、ひとえに、メグレの捜査官として、司令官としての優秀さに寄るものなんですよね。その1点が彼らのゆるぎない関係性を作っている、ということにとても惹かれます。 メグレ警視シリーズでは、メグレだけでなく、メグレにひたすら付き合う部下たちの姿もイキイキと描かれます。そんなところも読みどころです。(土澤)
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北欧特集 TRANSIT&FIGARO
¥1,500
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2016年の夏休みは、北欧に行ってきます!スウェーデンのストックホルムと、フィンランドのヘルシンキに滞在予定です。 それまでに、下調べをと思い、家にあったこの二冊を眺めています。 2016.7.28 星野
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『ヨーロッパ退屈日記』伊丹十三,新潮文庫
¥500
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伊丹十三が若いころ、デザイナーで俳優、イラストやエッセイも書いていた、ということを知っている人は今どれくらいいるんだろう? かくゆう私もぼんやりとしか知らなかったのですが、伊丹十三のそうした経歴にある背景と、さまざまなモノ、事への(かなり偏った)知識とこだわりを知り、心酔するきっかけになった1冊。 このエッセイが出版されたのは、今から50年前の1965年。世界的には、ベトナム戦争があったり、マルコムXが暗殺された年です。日本では、海外への渡航が自由化されたばかり。そんな時代に、映画、車、ファッション、料理、音楽、絵画、英語などなど、それらが生まれた場所で、それらに直に触れた人が、真摯にそれらについて語ろうとする言葉の、そのリアリティーに圧倒される。一例を挙げるなら、海外のファッションに流される日本人についてのくだり。 たとえば、ネクタイとスーツに身を固める以上、人前でズボンをたくし上げたり、ワイシャツをズボンに押し込んだり、チャックを直したり、そういう真似はよしてもらいたいのである。 中略 エレヴェーターの前に数人の男女が待っていたとする。ドアが開いたとき真先に降りてくるのは男である。また真先に乗り込むのも男である。背広とネクタイに身を固めた男である。恥ずかしいではないか。筋が通らないではないか。(「ヨーロッパ退屈日記」抜粋) 物事の本筋を知ろうとする考え方は、これだけ嘘やパクリが公然としている今の社会には全く合わないかもしれない。でもそうすることでしか得られないものはたくさんあり、そうすることでしか本当の喜びやおもしろさも得られないのでは…と、この本を読んで思うのです。(土澤)
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『初秋』ロバート・B・パーカー,ハヤカワ・ミステリ文庫
¥864
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ハードボイルド小説の大家、ロバート・B・パーカーの作品から『初秋』をご紹介します。『初秋』は、いくつかあるシリーズのうち、アメリカ・ボストンを舞台に私立探偵スペンサーが活躍するシリーズ物です。同シリーズが始まったのは1973年。それまでのハードボイルドものといえば、ダシール・ハメットやレイモンド・チャンドラーらが生み出した、タフで、つねに孤独な男の生き様を描く作風がメインでしたが、パーカーはこのシリーズで、時には恋人の力を借りて事件を解決したり、料理が得意で読書が趣味という現代的な探偵像を作り上げ、多くのファンを獲得しました。 さて、本作のおもしろさは、ちょっとした事件から始まった物語が、いつの間にか『マイ・フェア・レディ』のように展開するところにあります。スペンサーがその事件で出会った少年ポールは、お互いに対立する両親から愛されたことがなく、自分にも、誰にも、何にも関心を持つことができなくなっているんですね。そんな少年を放っておけないスペンサーが、自立する力を付けさせようと、体を鍛え、正しい生活を叩き込んでいきます。そして2人はさまざまな困難を乗り越えて…というお話。 ポールのことを「まったく可愛げがない」と思いつつも、これまでずっと虐げられてきた彼に、生きる力を得ることでしか人生を切り開くことができないと教えるスペンサーの心持ちは、宗教的な教えに通じるところさえあります。また、スペンサーシリーズでは、男と女や白人と黒人、社会的地位が高い者と低い者などの対立や協調が描かれますが、本作では、親と子という絶対的な支配関係において、両者がどう生きるべきかということについても語られます。物語としてはファンタジーのように思える部分もなくはないものの、こうしたテーマはどんな世代にも響くのではないかなと思います。 それまで勝手に、大衆的過ぎるという理由でミステリファンから敬遠されている印象だった(本当にすみません)パーカー作品に対する印象が、この本に出会うことでガラリと変わりました。ちなみに、この小説の設定を基に、村上春樹が『ダンス・ダンス・ダンス』の一部分を書いたという説もあり、春樹ファンにもオススメの1冊です。(土澤)
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『知日』が面白い!
¥2,000
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表参道のcommune246で発見して、虜になってしまいました。 2011年、北京で創刊された、日本を中国に紹介する雑誌。主筆は、在日中国人気候作家で、神戸国際大学教授の毛丹青さんという方だそう。マイナーな雑誌かと思いきや、これがなんと毎月5万部から10万部が売れているとか。 例えば、皇室をポップなイラストでサブカルっぽく紹介するなど、日本人の私から見ても面白い。 コエノエでもお取り扱いしたい本だ。 2016.07.28 星野
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365 Things to know
¥3,500
SOLD OUT
歴史、文化、自然科学、、、身の回りの不思議を、バランスのよいイラストとテキストで解説。子ども向けの本というよりも、おとなでも楽しめる絵本図鑑です。ページによっては4色だったり、色が限られているのも味があって好きです。 2016.08.02
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1992 Barcelona バルセロナオリンピック【ピンバッジ】
¥780
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1992年7月25日から8月9日まで、スペインのカタルーニャ自治州バルセロナで開催された第25回夏季オリンピックのピンバッジ。 このときの日本人の金メダルは、 岩崎恭子(日本、競泳女子200m平泳ぎ) 古賀稔彦(日本、柔道男子71kg以下級) 吉田秀彦(日本、柔道男子78kg以下級) だった。 ■ピンバッジ記載文字 Barcelona'92 ■状態 良 ピン留め付き
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『ピクルス街異聞』佐々木マキ,青林堂,1993年
¥4,000
SOLD OUT
佐々木マキさんの漫画の作品集をご紹介します。佐々木さんは雑誌『ガロ』でデビューした、絵本作家としてもご活躍の漫画家、イラストレーター。私が佐々木マキさんの絵を知ったのは、村上春樹の初期の小説の表紙から。『風の歌を聴け』『1973年のピンボール』『羊をめぐる冒険』『カンガルー日和』『ダンス・ダンス・ダンス』などなど、毎回、違った風景の中に顔のない人が佇む表紙は、シュールでありつつ、どこかスタイリッシュに感じたものです。 『ピクルス街異聞』にはさまざまな作風の作品がまとめられていますが、通底するのは、シュールさ、不条理さ。登場人物の一人、JJ・ピガール氏はコウモリになってしまうし、ムッシュ・ムニエルは、眼の焦点が合ってないヤギ(後にスピンオフ作品として絵本『ムッシュ・ムニエルをご紹介します』が描かれます)。彼らが闊歩する、国も、時代も、地球なのか異星なのかも曖昧な世界で、ほとんどセリフもないまま進む話は、ちょっとした悪夢のようでもあります。その世界を描き出す佐々木マキさんのタッチが素晴らしく、読み手の想像力をかきたて、あっという間に漫画の世界に引きずり込んでいきます。 佐々木マキさんの著作はたくさんある絵本が手に入れやすいので、興味がある方はぜひ手にとってみてください。(土澤あゆみ)
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雑誌『BRUTUS』2015年9月15日号,マガジンハウス(中古)
¥400
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『BRUTUS』の植物特集号。これは、さまざまな珍しい生態を持つ、あるいは見た目の変わった植物を“珍奇植物”と名付け紹介しています。 植物を育てる楽しみは人それぞれ。きっと最初はみんな、美しいから、日々育つ姿に癒されるから、花を咲かせてみたい、とシンプルな理由から育て始めるはず。それがいつしかハマり、ありきたりよりも、珍しかったり、変わった植物を手に入れたい…となってしまうんですね。そんな、コレクター心をくすぐる世界の植物もたくさん紹介されています。中でも、多肉植物、ティランジア(エアプランツ)、シダ植物などが多め。 ちょっと意外ではありますが、植物にも、ファッションやグルメなどと同じようにトレンドがあり、永遠の定番があります。人気のある植物を手に入れたいと思われた方は、本書の中でとっておきの1株を見つけてみてはいかが?(土澤あゆみ) ■詳細 『BRUTUS』 2015年9月15日号 124ページ フルカラー ■古書 古本の使用感はありますが強いダメージはありません。
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『日々』29号 特集:台湾 アトリエ・ヴィ
¥980
SOLD OUT
かつて勤め先の書店で開催したリトルプレスフェアでも仕入させていただいた『日々』。いまは何号までなんだろう?とググってみたら、36号(29号にも登場する伊藤まさこさんの責任編集で、お弁当の特集)になっていた。コエノエでもご紹介している武田百合子さんにも触れられているようなので気になる。 さてさて、こちらの号は、実は台湾特集である。表1、表4には、伊藤まさこさんによるポラロイド、、ではなくて、iPhoneで撮影された写真が、所狭しと並べられている。写真というのは、一枚でも意味を持つものもあるが、並べるだけで、急にパワーをもつ場合がある。『ゆがみ』のフォークロアでも、近いことをやっていて、自分はグリッドが好きなんだなと改めて思った。 日々さんの台湾行きは、長野県松本市の三谷龍二さんがきっかけだそうだ。松本にある三谷さんの「10センチ」には、私も、松本の栞日さんに取材させていただいた帰りに立ち寄ったのを思い出した。何かと縁があるものだ。 日々という活動母体があることで、台湾への旅が生まれて、それをまた日々でアウトプットするというサイクルが素敵だ。ちなみに松本行きも、そういう感じで、アウトプットはウェブで行った。 コエノエの活動でも、そのつながりから、国内外のどこかに旅をして、仕入をしたり、気づいたことを書き留めたり、発信するということをやってみたいと思う。 ■詳細 『日々』29号 2013年1月5日発売 64ページ フルカラー ■古書 表1、表4に、耳おれ跡、若干の痛みがございます。
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apartamento issue#03 アパルタメント【中古】
¥2,800
SOLD OUT
apartamentoのissue#03です。
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TO magazine 世田谷感100 上巻 / トゥーマガジン 【中古】
¥1,800
SOLD OUT
世田谷に引っ越して、まず読みたかった一冊。他の区の特集も読んだことがあるけれど、自分の住んでいる街となると、当たり前だが、記事への入り込み方が変わってくる。冒頭では、編集長の上町ライフで、自転車通勤のくだりがあった。家具などを整えるのに精一杯でまだ手をつけられていないが、そのうち自転車を買って、気が向いたときにショートトリップできるようにしたい。 2016.08.08 星野
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BRUTUS(ブルータス)1999年 6/1号(中古)
¥2,000
SOLD OUT
好きな小説、好きな小説家から影響を受けることってありますよね。たぶん、村上春樹さんの小説やエッセイを読んでジョギングや水泳を始めた人はかなり多いのではないかと推測します。そういう自分もそのひとりなのですが、、。 村上さんは多くのエッセイの中で、自分にとって走ること、スポーツをすることの意味について書いています。それがいかに小説家である自分に影響を与えているか。近年では特にエッセイ集『走ることについて語るときに僕の語ること』でまとめらています。 このブルータスの特集は、そうした書籍が出る数年前のもので、村上さんが参加してきたマラソン年表から、走っている時の写真もたっぷり載っていて、ファンならニコニコしてしまう内容。また、巻頭に掲載されているのがエッセイではなくインタビューで、これがかなり新鮮です。当然ながらご本人との文体とも違うし、今から17年前なので、語り口も若々しい。エッセイなどよりももっとストレートな口調、ストレートな内容をお話されています。ぜひ手にとって見てください。(土澤あゆみ) ■詳細 『BRUTUS』(マガジンハウス) 1999年 6/1号 ■古書 経年劣化による色褪せがあります。大きなダメージはありません。