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『メグレ、ニューヨークへ行く』ジョルジュ・シムノン,河出書房新社,長島良三訳(1977)

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ジョルジュ・シムノンのメグレ警視シリーズの1冊。
この作品ではメグレはすでにパリ警視庁を退職していて、舞台もフランスでなくアメリカなので、他のメグレ警視シリーズとはかなり雰囲気が違うのです。登場する人物たちもメグレに対して、「名前は一応知ってるフランスの元警視」って感じで冷たいし(フランスではもちろん大切にされている)、メグレ自身も、言葉があまり通じなかったり、フランスでのように物事が運ばないことにイライラしてて、これだけ読んだら、「勝手に偉そうにしているフランス人のおっさん」という印象。
個人的にも、現役時代の、個性のある部下たちを引き連れて地道に捜査して、少しずつ犯人を追い詰めていくメグレ警視が好きなので、正直なところ、最初はイマイチ入り込めなかったのでした。しかも、依頼者であるはずの若者は物語の冒頭で姿を消して、その父親からは、「問題なんかない、はよフランスに帰れ」(翻訳の意訳)と冷たくあしらわれるし…。
それでもやはりメグレ警視なので、見ず知らずの青年のために一人ニューヨークまで来てしまった自分を呪いつつ、青年が何を自分に依頼したかったかを知るために一歩一歩進んでいくのですね。そしていつものように、すべてについて予想したり予測したりせずに、じっと対象を見つめて、全体が浮かび上がった時に初めてそれと判断を下すのです。
終盤、問題などないと言ったはずの青年の父親が昔関わった事件がまだ終わってなかったことを少しずつ探り当てて、明らかにしていくくだりは「おお~!」と盛り上がること間違いなし。犯人たちに法的な裁きは受けさせられないけど、それがどれほど愚かなことかを怒りとともに本人たちに突きつける姿も激カッコ良いのです。
でも表現に回りくどいところが多くて、実際にどういう犯罪が行われたのかが2度読んでもふんわりしかわからなかったこともお伝えしておきます…。(土澤)

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