「藤川史雄のティランジアブック」を紹介したので、ついでに、というか、ティランジアの品種や育て方も紹介もしてみたいと思います。連載形式で、手軽に手に入る種類を中心に紹介していきます。
1回目は、ストリクタ。ストリクタにはいくつかの種類があり、写真は比較的葉が軟らかく、100円ショップなどでも売られることのある種です。ストリクタ・ソフトリーフと呼ばれることも。葉の硬いハードリーフ、園芸品種のシルバースターなどの仲間があります。
ティランジアといえば銀色っぽい葉のものを想像する人もいるかもしれませんが、こちらは緑葉種という葉が緑のグループの仲間。ティランジアの葉には、トリコームという水分を取り込む(ダジャレではない)器官があり、その大きさや数によって葉が銀色に見えるのですが、緑葉種は、トリコームの数が少ないため緑色の葉をしています。
ストリクタの魅力は、株の大きさや葉の細さに不似合いなほど大きな花苞をつけて花を咲かせること。鮮やかなピンクの花苞から、すみれのような紫色の可憐な花が覗きます。さらに、子株もできやすいため、数を増やしたり、大株(クランプといいます)にするにも適した、初級者にも育てやすい種です。
育て方のポイントは、春から秋にかけては1~2日に1回たっぷり水をあげること。霧吹きで吹きかけても良いし、面倒なら、そのまま水にじゃぼっと浸けてもOK。とにかく株全体が濡れることが大切です。そうして、半日くらいで乾くような風通しがあり、直射ではないけど日光の当たる環境に置けば、みるみる成長します。休眠期に入る冬は、1~2週間に1度の水やりで十分です。育てるというより春まで維持する、という気持ちで、とにかく枯らさないよう、腐らせないように見守ります。また、冬なら直射日光に当てても構いません。
ただし、花を咲かせるのは2~3年に1度、子株は1年に1度程度。水だけで生きていくので(栄養剤を与えることもありますが、そのことについてはまた追って)、成長の遅さは否めません。そのぶん、花を咲かせた時の感動はひとしおです。(土澤)
※関東から南の気温を基準にした育て方です。