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『SPECTATOR スペクテイター〈29号〉 』ホール・アース・カタログ 〈前編〉

¥3,930 税込

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スティーブ・ジョブス(1955-2011)は、2005年6月12日のスタンフォード大学でのスピーチで、ウェブ普及以前の「Google」だとして『WHOLE EARTH CATALOG』(以下、WEC)を取り上げた。私がその動画を初めて見たのは、おそらくその2-3年後のはずで、その後もSonyのMP3プレーヤー(iPodではなく)に音声データを入れて、通勤時間によく聞いていた。Jobsがこの世を去った翌年の2012年9月には、Walter Isaacsonによる伝記が発売され、当時洋書売り場にいた私は、Jobsのなら読めるのではないか?と思い、英語版、、しかもイギリス版を購入した。アメリカの出版社のものも発売されていたが、カバーの質感がイギリス版のほうがマットな感じで気に入ったからだ。翻訳版が待ちきれずに、かっこつけて洋書を購入したものの、Paul Austerの小説でこけたように、読みきるまでに1年くらいかかったと記憶している。

WECの副題は「access to tools」で、のちにその紙面構成を何かの資料で見た。Googleは検索しないと情報を引っ張り出せないが、WECは大きな版型を活かして、検索しなくても何かを見つけ出せる(かもしれない)カタログになっていた。カタログといっても、日本のよくある通販カタログやその他の雑誌とは違うのは、掲載された商品のブランディングや販売が目的ではないからだろう。冊子が、今でいう「クラウド」になっていて、読者(主にヒッピー)は有用と思われる情報を編集部に投稿できる仕組みがあった。生きていくための道具や考え方を共有する場になっているようだった。マッキントッシュ、、つまりDTPが発達する前の時代だから、手作り(DIY)で始めたということも知った。実はWECの本物を見るのは、2015年の夏になってからなのだけど、思想からデザインまで「かっこいいな」と思った。

書店からウェブ業界に転じたのも、このWECとAmazonの影響がかなり大きい。私が卒業した大学は1年生からラップトップPCの購入が必須で、校内どこでも無線でネットにつながっていたにも関わらず、ITの躍進を肌で実感したのは2012年と出遅れた。(というより、当たり前すぎて気づけなかったのだろう。)情報の伝達や入手は、紙に印刷して、束ねて、流通させたものを購入するだけでなく、どこか遠くのでっかいパソコン(サーバー)に置いておけば、あとは手元のPCやタブレット、iPhoneなどのブラウザから、情報のありか(URL)をたたけば出てくるという発明に改めて気づいた。

そんなWECについてまとめられた本が、雑誌『スペクテイター』から出ている。年三回発行の雑誌で、前編・後編と二号に渡って特集している熱の入り方だ。年表など、見ているだけでわくわくしてくる。

2015.11 星野陽介

■詳細
出版社: 幻冬舎
発売日: 2013/12/24
ISBN-10: 4344951883
ISBN-13: 978-4344951884
版元在庫切れ商品です。

◾️状態
表紙左上端に、ややそりがあります。
表紙左下端のビニール加工部分が3ミリほどはがれています。
その他、タバコの匂い、耳おれ、書き込みなどもなく大変良好な状態です。

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